ワイヤーアクセサリーを作ろうとワイヤーを探すと、「アーティスティックワイヤー」「シルバーフィルド」「14KGF」など、いろいろな名前が並んでいて迷いませんか。見た目は似ていても、中身の金属や、変色のしやすさ、値段はかなり違います。ここでは、Hoshino stoneでよく使うワイヤーを中心に、ワイヤーの種類と選び方をまとめました。
まず知っておきたい、ワイヤーのつくりの違い
アクセサリー用のワイヤーは、つくりで大きく3つに分けられます。
- 無垢(むく):芯まで同じ金属でできたワイヤーです。シルバー925やK18など。品質は確かですが、貴金属は値段が高めです。
- フィルド:真鍮などの芯の表面に、貴金属の厚い層を熱と圧力で貼り合わせたワイヤーです。シルバーフィルドや14KGF(ゴールドフィルド)がこれにあたります。
- メッキ・コーティング:銅や真鍮の表面に、ごく薄い金属の膜や、色のついた膜をつけたワイヤーです。アーティスティックワイヤーや金メッキワイヤーなど。手ごろですが、表面の膜ははがれることがあります。
主なワイヤーの比較
| ワイヤー | つくり | 変色 | 値段の目安 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|---|
| アーティスティックワイヤー | 銅の芯+色と変色防止のコーティング | しにくい(傷からはがれることがある) | 手ごろ | 練習、色を楽しむ作品 |
| シルバーフィルド | 真鍮などの芯+シルバー925の厚い層 | 黒ずむことがある(お手入れで戻る) | 中くらい | 普段使いのアクセサリー |
| 14KGF(ゴールドフィルド) | 真鍮の芯+14金の厚い層 | しにくい | 高め | 長く使うジュエリー、贈り物 |
| ステンレス | ステンレス(無垢) | ほとんどしない | 手ごろ | 形をしっかり保ちたい爪など |
Hoshino stoneでメインに使うワイヤー
アーティスティックワイヤー
アメリカのメーカーのクラフト用ワイヤーで、銅の芯に色をつけ、変色を防ぐコーティングをしたものです。シルバー色やゴールド色のほか、たくさんの色があり、手芸店などでも手に入ります。
- よいところ:値段が手ごろで、やわらかく曲げやすいので、練習や試作にぴったりです。「ノンターニッシュ(変色しにくい)」と書かれたタイプは、色が長持ちします。
- 気をつけたいところ:工具の跡がつくと、表面のコーティングがはがれて、下の銅の色が見えることがあります。同じところを何度も曲げ直すのも、はがれの原因になります。
シルバーフィルドワイヤー
真鍮などの芯の表面に、シルバー925(スターリングシルバー)の層を、ワイヤー全体の重さの1/20(5%)以上貼り合わせたワイヤーです。メッキよりも銀の層がずっと厚いので、はがれにくく、見た目も手ざわりもシルバー925とほとんど変わりません。
- よいところ:シルバー925のワイヤーより手ごろな値段で、本物の銀の輝きを楽しめます。
- 気をつけたいところ:銀なので、空気中の硫黄などと反応して黒ずむことがあります。シルバー用のクロスで磨けば輝きが戻ります。使わないときは、チャック付きの袋に入れておくと黒ずみにくくなります。銀に金属アレルギーがある方には向きません。
14KGF(14金ゴールドフィルド)ワイヤー
真鍮の芯の表面に、14金の層を、ワイヤー全体の重さの1/20(5%)以上貼り合わせたワイヤーです。一般的な金メッキと比べて、金の層が何十倍も厚いため、長く使っても色がはげにくいのが特徴です。
- よいところ:変色しにくく、上品な金色が長持ちします。金の層が厚いので、金属アレルギーが起きにくい素材として選ばれることが多いです。しずく留め®のジュエリーなど、長く大切に使いたい作品に向いています。
- 気をつけたいところ:ほかのワイヤーより値段が高めです。ワイヤーを切った断面には芯の真鍮が見えるので、端は内側に入れ込んだり、目立たない位置にしたりすると、きれいに仕上がります。
ステンレスワイヤー(爪留めに使う方も)
ステンレスのワイヤーは、硬くて形を保ちやすく、錆びにくいのが特徴です。石を押さえる爪をしっかり立てたいときに、ステンレスワイヤーを使う方もいます。
- よいところ:変色や錆びがほとんどなく、値段も手ごろです。SUS316Lなど、金属アレルギーに配慮した種類もあります。
- 気をつけたいところ:硬いので、細かく巻き付けたり、石の形に沿わせたりするのは難しくなります。また、切るときに工具の刃を傷めやすいので、ステンレスに対応したニッパーを使いましょう。
そのほかのワイヤー
- 銅ワイヤー(コーティングなし):やわらかく手ごろで、練習向き。時間がたつと茶色っぽく変色し、アンティークのような風合いになります。
- 真鍮(ブラス)ワイヤー:金色に近い色で、値段は手ごろです。変色しやすいので、変色防止のコーティングがされたものもあります。
- シルバー925(スターリングシルバー)ワイヤー:芯まで銀の無垢のワイヤーです。シルバーフィルドより値段は高めで、同じく黒ずむことがあります。
- 金メッキワイヤー:真鍮などに薄く金メッキをしたものです。手ごろですが、使っているうちにメッキがはげることがあります。
- K18・K14などの金のワイヤー(無垢):芯まで金でできたワイヤーです。とても高価なので、特別なジュエリー向けです。
- アルミワイヤー:とてもやわらかく軽いワイヤーです。太いものが多く、クラフトやオブジェ作りに使われます。
形と硬さもチェック
ワイヤーは、素材のほかに、断面の形や硬さにも種類があります。
- 断面の形:一般的な丸い「丸線(ラウンド)」のほか、四角い「角線(スクエア)」、片側が平らな「半丸線(ハーフラウンド)」などがあります。角線は、何本かそろえて並べると、すっきりとした印象の枠が作れます。
- 硬さ:やわらかい「ソフト(デッドソフト)」と、やや硬い「ハーフハード」などがあります。巻き付けにはやわらかいもの、形を保ちたい部分にはやや硬いものが向いています。
太さの選び方や硬さについては、ワイヤーの太さの選び方(ゲージとmmの早見表)で詳しくご紹介しています。
迷ったときの選び方
- はじめての練習なら:アーティスティックワイヤー。気軽に何度も練習できます。
- 普段使いのアクセサリーなら:シルバーフィルドワイヤー。手ごろな値段で、本物の銀の輝きを楽しめます。
- 長く使うジュエリーや贈り物なら:14KGFワイヤー。色がはげにくく、きちんとした印象に仕上がります。
- 爪をしっかり立てたいなら:ステンレスワイヤーを使う方法もあります。
金属アレルギーが気になる方へ:「アレルギーが起きにくい」とされる素材でも、体質によっては反応が出ることがあります。心配な方は、肌に直接触れるピアスやイヤリングの金具だけでも、ご自身に合う素材を選ぶと安心です。