旅先で買った原石、ミネラルショーで一目ぼれしたルース。「穴が空いていないから、アクセサリーにできない」と、引き出しにしまったままになっていませんか。
穴のない天然石も、ワイヤーで包んだり支えたりして留めれば、穴あけも接着剤も使わずに身に着けられます。この記事では、自由が丘で2009年から天然石ワイヤーアクセサリー教室を開いているHoshino stoneが、石の形ごとに向いている留め方と、はじめるのに必要な道具をご紹介します。
穴なし天然石をワイヤーで留めるメリット
- 石を削らない:穴あけは石が割れることもあり、一度開けたら元には戻せません。ワイヤーなら石はそのままです。
- 接着剤を使わない:接着剤は時間がたつと黄ばんだり、はがれたりすることがあります。
- 石の形をそのまま生かせる:原石の凸凹や丸玉の透明感を、隠さずに見せられます。
- 作り直せる:ワイヤーを外せば石は元通り。デザインを変えて何度でも仕立て直せます。
まずは石の形をチェック

留め方は、石の形でほぼ決まります。手元の石がどれに当てはまるか、見てみましょう。
| 石の形 | 特徴 | 向いている留め方 |
|---|---|---|
| 丸玉 | 丸くて、ワイヤーを引っかけるところがない | 包んで巻く「ラッピング」 |
| 原石・ポイント | 形がひとつずつ違い、凸凹がある | 凸凹に沿わせる「ラッピング」 |
| カボション | 裏が平らで、表がドーム型 | 縁を押さえる「3点留め」 |
| ファセットカット | 裏が尖っていて、輝きが主役 | 「爪留め」「しずく留め®」 |
ワイヤーで留める4つの方法
1. ラッピング(包んで巻く)


ワイヤーで石をかごのように包む留め方です。丸玉や原石のように、つかむところがない石に向いています。巻き方で「うずまき」や「薔薇」などの飾りも作れます。巻きがゆるいと石が抜けるので、締める加減が大切です。
2. 3点留め

カボションの縁を、3か所のワイヤーで押さえる留め方です。金具を使わずに石の面を大きく見せられるので、ラリマーやラブラドライトのように模様がきれいな石にぴったりです。
3. 爪留め

指輪の立て爪のように、ワイヤーで爪を作って石を留めます。石の下に光が入るので、ファセットカットの輝きが引き立ちます。小さな石も留められるのが特徴です。角のあるスクエアワイヤーがよく使われます。
4. しずく留め®(Hoshino stoneの独自技法)

ワイヤーを巻かずに、「カーブ」と「折り曲げ」の3工程だけで石を留めます。1cm以下の小さなファセットカットやカボション、穴あきビーズも、しずく型のシンプルなジュエリーに仕上がります。商標・意匠登録済みのため、講座を修了した方だけが制作・販売できる技法です。
必要な道具と材料

工具は、まず次の3つがあれば始められます。
- ニッパー:ワイヤーを切る
- 平ヤットコ:ワイヤーをつかむ・まっすぐ曲げる
- 丸ヤットコ:ワイヤーを丸く曲げる・輪を作る
ワイヤーは、用途に合わせて選びます。
| ワイヤー | 特徴 | おすすめの使い方 |
|---|---|---|
| アーティスティックワイヤー | 銅の芯に色をコーティング。柔らかく色が豊富 | 練習、普段使いのアクセサリー |
| 14金ゴールドフィルド(14KGF) | 金の層が厚く、長く使っても剥げにくい | 大切な石の本番作品 |
| シルバーフィルド | シルバーメッキより長持ちする | シルバー系の作品 |
太さの目安は、0.4~0.6mm前後(26~22ゲージ)がおすすめです。工具の選び方は、ワイヤーアクセサリー制作に使う工具の紹介でも詳しく解説しています。
きれいに作るための3つのコツ
- 最初は安いワイヤーで練習する アーティスティックワイヤーがおすすめ。何度か試してから本番に進みましょう。
- ワイヤーを強くつかみすぎない ヤットコで強くはさむと、ワイヤーに傷やへこみが残ります。コーティングがはがれることがあるので注意します。
- 最後に「揺すって確かめる」 完成したら、石を指で軽く押して、動かないか確かめましょう。少しでも動くと、身に着けているうちに外れることがあります。
独学でつまずいたら
教室に来られる方からは、「動画を見て作ってみたけれど、うまくいかなかった」という声をよく聞きます。ワイヤーを引く力加減や曲げる角度など、手元のちょっとしたコツは画面越しでは伝わりにくいからです。
Hoshino stoneの天然石ワイヤーアクセサリー基礎コースでは、全3回で丸玉・原石、カボションの3点留め、ファセットカットの留め方を順に身につけられます。小さな石で繊細なジュエリーを作りたい方には、しずく留め®ワイヤージュエリー講座もおすすめです。
どの講座もマンツーマンの個別レッスンで、工具は無料でお貸しします。お手持ちの石をどう留めるかのご相談も、お気軽にどうぞ。